LINEをあまり使いたくない4つの理由

このところ稀にしか会わない知り合いなどから「LINEやってる?」的なことを聞かれることが増え,
その度に「入ってるけどなるべく使いたくない」と答えています.
だいたい怪訝な顔をされるわけですが,そうした非選好的な応答を引き出しうるくらいには,
LINEというツールはデファクトスタンダードなメッセージングツールになっているようだということがわかります.

まあしかし私はなるべく使いたくない.
メッセージが送られてくることそのものは別に(ほとんど)構わないのですが,
重要な話や多くの発言にわたって必要な情報がちりばめられるようなやりとりはしたくないと思っています.

以下,その理由.

メッセージの参照性が悪い

LINEはアプリケーションを起動するたびにサーバに問い合わせ,ちょっとずつダウンロードしながら開きます.
このためネットワークが遅いと時間がかかるし,オフラインでは使えません.

アプリの使い勝手が悪い

LINEのアプリケーションにはメッセージ検索の機能がありません.
同じ人やメッセージンググループとのやりとりは単線的に連なっていくしくみなので,過去のメッセージを参照するのが非常にやりにくくなっています.
そのほか,ダウンロードの優先順位のためか,バッジが表示されていても新着メッセージが開けるようになるまで時間がかかることがあります.
しかもその使いにくいアプリケーションでしかメッセージを開くことができません.

信頼性が低い

理由のひとつめと関連しますが,メッセージがサーバにしかなく,ローカル保存ができません.
そのためもしも運営会社が突如へそを曲げるような事態になったら,もう永久にそれらのメッセージは参照できないことになります.

コンピュータとの連携が悪い

MacWindowsで動くデスクトップツールもありますが,過去のやりとりのダウンロードはできず,
デスクトップツールからおこなったチャットのスレッドしか表示できません.
私はGmailやiMessageはもちろん,i.softbankメールもコンピュータと連携し,どちらからでも送受信ができるように設定しており,
LINEでは同様にできないことは非常に不便に感じます.

まとめ

まとめると,「遅い」「検索できない」「バックアップできない」「デバイス間共有が不便」ということになります.

逆に考えると

これらの問題がほとんど問題にならないような仕方で人々はメッセージングツールを使っている,という推測が立ちます.
つまり,(たぶん)アプリケーションを閉じないことで,起動時のロード時間を常に省略している
(cf. 前にちょっとだけ話題になったfull time intimate community http://joi.ito.com/weblog/2004/03/27/fulltime-intima.html
過去のメッセージを参照することはあまりない,行うやりとりは基本的に「即時的に効力を発揮し(今なにしてる?みたいな),すぐに必要性を失う(「今」が過ぎたら上記のようなメッセージは基本的に不要),
あまりバックアップを気にしない,もしくは過去のメッセージが消滅しても困らない,
そしてスマートフォンでしか使わない,
というようなスタイルであることが想像されます.

メッセージングツールなんて一人で十全に使えるものではないので,こういうデファクトスタンダード化は相互作用的に強まっていくものだと思いますが,
それでも「何を使うか」からどういうスタイルのメッセージングがなされ,それがメッセージングの社会的な扱われ方のようなものの洞察に寄与するというのは面白いのではと思います.